story

今よりずっと先の未来。

日本列島の南西に位置する碧島(みどりじま)。かつてそこは自然と人々が共存する豊かな島であった。

しかし日本有数の財閥「東江財閥」によって買い上げられ、島の約1/3が豪華な会員制娯楽施設「プラチナ・ジェイル」へと姿を変えた。最新鋭の設備を備えた「プラチナ・ジェイル」が注目を集める一方、強引な開発の犠牲となった島民たちは「旧住民区」に追いやられ、決して裕福とは言えないその場所での生活を余儀なくされていた。

旧住民区の若者たちの間では、肉弾戦での縄張り争いを日々繰り広げる「リブスティーズ」、仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」が流行していた。

そして囁かれる噂
「辻斬り」
「神隠し」
「モルヒネ」

主人公・蒼葉はその旧住民区にあるジャンクショップ「平凡」でのアルバイトに日々を費やし、祖母のタエと二人で暮らしていた。——ただ平穏にのんびり暮らせればそれでいい。そう思っていた。

しかし、そんな蒼葉の測り知れない所で
平穏な日々を揺るがす異変は確実に起こりはじめる。

碧島(みどりじま)

日本列島の南西に位置する島。
かつて緑豊かな島であったが、東江財閥の買い上げ、開発により現在は貧富の差が著しい島となっている。

旧住民区(きゅうじゅうみんく)

東江財閥は、碧島を開発するにあたり島の住民へ本土への移住を提案した。
大金や豪華な家屋が交換条件として出されたため、大半の人々は島から出ていった。
しかし、一部の頑固な島民たちは最後までそれを拒否した。
最終的にそういった人々を追いやり一角に集めたのが、現在の旧住民区である。
水道やガスといった最低限のライフラインはかろうじて保たれているが、それ以外の管理は手放し。ヤクザや名前ばかりの警察が幅を利かせている。

プラチナ・ジェイル

東江財閥によって碧島に建設された会員制高級娯楽施設。
旧住民区との間を高い壁が覆っており、中の様子を見ることはできない。

オールメイト

人工知能を持つ人工生命体。
主にネットワークツールのサポートとして一般的に使用されている。
多種多様の型があり言葉を介したコミュニケーションも取れるので、ペットとして愛好している者も多い。
電脳ゲーム「ライム」で戦うためのパートナーとしても使用できる。
コイルを介して持ち主の識別が可能である。

ライム

若者に絶大な人気を誇る電脳ゲーム。
オールメイトを所有していれば誰でも参加することができる。
対戦する際は、どちらかの心の中が電脳空間に反映されバトルフィールドとなる。
電脳空間でしか味わえないスピーディーでアクロバティックなバトルが楽しめる。
正規のルールでは「卯水」と呼ばれる審判の立会が必須である。

リブスティーズ

旧住民区でチームを組み、勝手に縄張り争いという名のケンカを繰り広げている連中のこと。
チームのシンボルマークであるタグアートを路地の壁などにペイントし、縄張りを主張する。
また、(ヘッド)以外のメンバーは身体のどこかにタグアートの刺青を入れ所属を主張する。
旧住民区の若者の大半はどこかのリブスティーズに所属しているため、刺青を入れていない者は「ノーマーク」と呼ばれ、いたぶられる対象になってしまう。
拳で縄張りを主張し合うリブスティーズのほとんどは、電脳という仮想世界でバトルするライムをバカにしている。

ジャンクショップ「平凡」

蒼葉がバイトをしているジャンクショップ。
消耗品から専門的なメタルパーツまで様々なものを格安で提供する店。
店長の絶妙なセンスで収集されたアイテムにはマニア垂涎の掘り出し物もあり、ディープな客層の指示を得ている。

コイル

人々に広く普及しているウェアラブルコンピュータ。
蒼葉が使用しているのは腕時計型。
電話やメール、テレビはもちろん、公共料金の振込や身分証明など、なんでもこれ1つでこなせる。